「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
交通のヒント
アスワンの交通手段:古代の魅力への玄関口
エジプトの宝石ともいえるアスワンには、あらゆる旅行者のニーズに応える多彩な交通手段が整っています。空の旅の快適さを求めるか、ナイルクルーズの景色を堪能するか――どの方法を選んでも、アスワンへのアクセスはその歴史と同じくらい多様です。ここでは、アスワンを移動するための最適な方法をご紹介します。
空路:空への玄関口
アスワン国際空港は、市内中心部から西へ約30~40分の距離に位置する便利な航空拠点です。空港までの道路は厳重なセキュリティ管理がされており、公共バスの運行はありませんが、タクシーや専用送迎サービスを利用すればスムーズに市内へアクセスできます。
エジプト航空(EgyptAir)、エアカイロ(Air Cairo)、ナイルエア(Nile Air)などの主要航空会社が、アブ・シンベル、カイロ、ルクソールを含む国内主要都市への定期便を運航しており、アスワンは国内外と広く結ばれています。
鉄道:ナイル沿いの旅路
エジプトの鉄道システムは、美しいナイル川沿いを走る風光明媚な旅を提供します。ルクソールからは約3時間でアスワンに到着し、1等車や2等車の快適な座席を利用できます。カイロからは13~14時間の長旅ですが、一日5便以上の空調付き列車が運行し、エジプトの中心部を縦断する魅力的な鉄道旅行を楽しめます。
ただし、外国人旅行者はカイロからルクソールやアスワンへの普通座席車両のチケット購入が制限されることがあります。この場合、自動券売機を利用するか、車内で直接購入(追加料金が発生する可能性あり)することで対応できます。
アスワン駅は市内中心部に位置し、周囲にはミニバスやカフェ、ホテルなど、旅行者に便利な施設が揃っています。
車:未開の道を走る旅
アスワンへ自家用車で向かう選択肢も近年増えています。2017年1月にナセル湖西側の国境が開放され、スーダンからの陸路アクセスが可能になりました。アフリカを縦断するユニークなロードトリップを計画する人にとって、魅力的なルートとなるでしょう。
バス:陸路の旅を楽しむ
カイロ発:
カイロのアル・トルジョマン(Al-Torjoman)バスステーションからアスワン行きの夜行バスが運行しています。チケット購入時は詳細を確認し、誤解のないよう注意しましょう。アスワン到着後は、タクシーや乗り合いタクシーを利用して市内へ移動できます。フルガダ発:
スタージェット(Star-Jet)が、フルガダからアスワンまでの夜行バスを運行しており、所要時間は約9時間です。より快適な旅を求める場合は、ルクソールまで電車またはタクシーで移動し、そこからアスワンへ向かうのもおすすめです。スーダン発:
ハルツームからアスワン行きのバス路線があり、一部のルートではワディ・ハルファを経由します。この旅は最大27時間かかりますが、エジプトとスーダンの広大な景色を楽しむユニークな体験ができます。
船旅:ナイル川のオデッセイ
ルクソールとアスワン間では、クルーズ船が定期運航しており、アスワン発は3泊、ルクソール発は4泊 のスケジュールで運行されています。クルーズは週3回出航し、ナイル川の悠久の美しさを優雅に満喫できる贅沢な移動手段です。チケットは旅行代理店を通じて、または船会社へ直接予約できます。
また、アスワンからスーダンのワディ・ハルファを結ぶ週1便の船も運航されています。こちらのチケットはすぐに売り切れるため、旅行代理店を利用して事前にビザや予約を手配するのが賢明です。
まとめ
アスワンへの旅は、空、陸、川 それぞれに魅力があり、選ぶ移動手段によって異なる体験が待っています。どの方法を選んでも、古代と現代が融合するこの街での滞在は、忘れられない思い出となるでしょう。
作成日: 2020年3月18日
更新日: 2025年3月11日