「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
アル・モルシ・アブー・アル=アッバース・モスク
アル・モルシ・アブー・アル=アッバース・モスク
アレクサンドリアにあるアル・モルシ・アブー・アル=アッバース・モスクは、重要な宗教施設であるだけでなく、歴史と文化に深く根ざした記念碑でもあります。以下にその詳細をご紹介します。
アル・モルシ・アブー・アル=アッバースの生涯
誕生: 1219年、スペインのアンダルシアで生まれる。
移住: 1242年、キリスト教徒の勢力拡大に伴い家族と共にチュニジアに移住し、後にエジプトのアレクサンドリアに定住。
死去: 1286年、アレクサンドリアで没する。
歴史的発展
初期の墓: 当初はアレクサンドリア東港近くの簡素な構造物に埋葬されました。
最初の大規模建設: 1307年、エル・シェイク・ゼイン・エル=ディン・イブン・エル・カッタンによって、アブー・アル=アッバースの墓の上に霊廟とドーム、そして小さなモスクが建設されました。
巡礼地: メッカへの巡礼者をはじめ、多くのムスリムにとっての巡礼地となりました。
建築的変遷
17-18世紀: 現在の構造の大部分は1775年にアルジェリアのシェイク、アブー・エル・ハッサン・エル・マグラビによって建設されました。
改修: 1863年と20世紀に入ってから、1943年に国王ファルーク1世の下で大規模な改修が行われました。
モスク広場: 国王ファルーク1世は、モスク広場(ミダン・エル=マスジェド)を整備し、このモスクと他の5つのモスクを含む約43,200平方メートルの区域を形成しました。
建築的特徴
高さ: モスクの高さは23メートルで、特徴的なクリーム色をしています。
ミナレット: 南側には73メートルの高さを持つミナレットがあり、アイユーブ朝のデザインの影響が見られます。
入口: 北と東に面した2つの主要な入口があり、広場を見渡すことができます。
内部: 中央部分は八角形で、壁は人工石とモザイクで装飾されています。
文化的・宗教的意義
祭り: 毎年、アブー・アル=アッバース・アル=モルシの誕生を祝う祭りが開催されます。
巡礼地: 敬虔なムスリムにとっての巡礼地としての役割を続けています。
建築的ランドマーク: モスクはアレクサンドリアの目印であり、海からも見えるこの街のイスラム遺産を象徴しています。
訪問体験
訪問者: 礼拝者だけでなく、イスラム建築や歴史に興味を持つ観光客も歓迎されています。
眺め: 周辺地域や地中海の美しい景色を楽しむことができます。
保存と修復
保存活動: モスクの歴史的・建築的価値を守るため、定期的な維持管理と修復が行われています。
教育と研究: イスラム建築に関する教育訪問や研究の場としても利用されています。
アル・モルシ・アブー・アル=アッバース・モスクは、単なる礼拝の場ではなく、アレクサンドリアの豊かなイスラム歴史と文化遺産を象徴する存在です。エジプトの歴史の深層を探求したい方にとって、必訪の場所です。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月10日
アレクサンドリア旅行ガイド

