「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
ウィカラ・アル・バザーラ
ウィカラ・アル・バザーラ:歴史と現代が交差する場所
カイロの賑やかな街並みの中心に、ウィカラ・アル・バザーラと呼ばれる建築の宝石がそびえ立っています。この場所は、街の豊かな商業遺産を証明するものです。カイロは歴史の重みを抱え、現在約20のウィカラ(商人の宿)を誇っています。その中でも、この由緒ある施設は特別な存在感を放っています。しかし、この商人たちの宿の起源を遡れば、17世紀には360ものウィカラが存在していました。その中には、当時新たに建てられたウィカラ・アル・バザーラも含まれていました。これらのウィカラはそれぞれ独自の特徴を持ちながらも、共通の設計を共有しています。商人が宿泊する客室が上階に配置され、倉庫や厩舎が中央の中庭を取り囲む形になっています。
時が流れる中で、これらの歴史的な建物の内部にも変化が生まれました。かつて商人たちが商談を行っていた客室は、現代的なオフィスへと姿を変え、コンピュータや電話が設置されています。その部屋は新たな用途を持ちながらも、かつての取引が響いた空間としての記憶を静かにたたえています。
ウィカラ・アル・バザーラに足を踏み入れると、かつて貴重な商品を守っていた巨大な正門が目を引きます。この堂々たる門は、過去の商業活動の影から商品を守っていた名残として、今も訪れる人々を迎え入れています。
休息が必要な方には、施設内にトイレが用意されており、わずかな入場料で利用することができます。しかし、ウィカラ・アル・バザーラの真の魅力は、建物の屋上にあります。そこに上ると、周囲の街並みを見渡せる見事な景色が広がります。過去のささやきと現代の喧騒が入り混じる中、カイロという都市の生き生きとした様相を間近で感じることができます。
安心してください、屋上への昇降を妨げる者は誰もいません。ここは、歴史と現代が交差し、貿易の精神が今も空気の中に漂う場所です。ウィカラ・アル・バザーラは、過去に戻りながらも現代の活気を取り入れる場を提供し、エジプトの魅力的な首都における商業の進化する物語を垣間見る貴重な機会を与えてくれます。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
カイロ旅行ガイド

