「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
カラーウーンのマドラサと霊廟
カラーウーンのマドラサと霊廟:時が壮麗に展開する場所
カイロの中心、数世紀にわたる歴史の余韻に包まれた地に、12世紀の壮麗さを今に伝える輝かしい記念碑がそびえ立っています。カラーウーンのマドラサと霊廟は、この歴史的三部作の中でも最も華麗な宝石として輝いています。
そこへ近づくと、右手には時を超えた魅力で訪れる者を引き寄せる霊廟が現れます。その神聖な空間には、芸術の宝庫が広がっています。インレイ加工されたコンクリートと石が絡み合い、繊細な花模様や天体の星々を思わせる精緻なデザインを形作っています。ステンドグラスの窓から差し込む日光が、壁に踊る万華鏡のような色彩を投げかけ、訪れる者を魅了します。
しかし、この複合施設の魅力は、建築の驚異にとどまりません。ここにはマリスタンと呼ばれる癒しの聖域があり、カラーウーンの統治を特徴付けた慈悲の精神を示しています。彼がダマスカスへの旅の中で、疝痛の治療を求めて類似の病院を訪れた経験が、この癒しの場を作り上げるきっかけとなったと言われています。
1325年、モロッコの著名な歴史家であり旅行者であったイブン・バットゥータがカイロを訪れた際、彼はカラーウーンの病院の壮大さに感嘆しました。その広間には様々な医療器具や治療法が整備され、健康と福祉への揺るぎない献身が感じられました。しかし、それだけでなく、一日中レクイエムを唱えるコーラン朗読者の存在が、この癒しの場に精神的な次元を加え、亡き者たちを讃えました。
カラーウーンのマドラサと霊廟は、単なる過去に閉じ込められた記念碑ではありません。それは、芸術、慈悲、そして精神性の融合を示す生きた証です。この神聖な回廊を訪れるすべての人々に、壮麗に展開する歴史の中へと踏み込む機会を提供し、先見の明を持つ統治者の遺産が今なお訪れる者の心に息づいていることを実感させます。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
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