「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
ガウハラ・テラス
ガウハラ・テラス:カイロの歴史絵巻を一望する壮麗なる特等席
ムハンマド・アリー・モスクの南に位置するガウハラ・テラスは、カイロの広大な景観を見渡す壮麗なバルコニーとして、威厳と静けさをたたえながら佇んでいます。この高台は、古代と現代が織りなす街の輪郭を一望できる壮観なゲートウェイであり、訪れる人々に視覚的な交響曲のような体験をもたらします。そこから広がる眺めは、カイロが重ねてきた歴史の層と、未来へ向かって進み続けるエネルギーを同時に感じさせてくれるのです。
テラスのすぐ近くには、ガウハラ宮殿と博物館がひっそりと佇んでいます。19世紀に建てられたこの建築遺産は、王朝時代の華やかな宮廷生活を今に伝える貴重な存在でありながら、現在は一般公開されておらず、その重厚な扉の向こうに隠された数々の物語と秘密は、歴史愛好家や文化を愛する人々にとって、なおさら魅力的な謎となっています。
それでもなお、ガウハラ・テラスは黙して語らぬ証人のように、時の流れを見守り続けています。カイロという都市が持つ壮大さと複雑さを象徴するこの場所は、ただの展望台ではなく、文明が交差してきたこの地の物語を深く理解するための「窓」でもあります。
時を超え、文化が交差し続けてきた都市カイロ。その鼓動を静かに感じながら、ガウハラ・テラスで立ち止まり、目の前に広がる歴史のタペストリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
カイロ旅行ガイド

