「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
スルタン・アシュラフ・バルスベイの複合施設
スルタン・アシュラフ・バルスベイ複合施設を巡る:カイロ北墓地の歴史的宝石
歴史的な北墓地の中心に佇むスルタン・アシュラフ・バルスベイ複合施設は、過ぎ去りし時代の建築の壮麗さを今に伝える記念碑的存在です。この重要な遺構は、カイトベイのモスクとスルタン・バルクークの霊廟の間に位置し、カイロの豊かな歴史的織物の一部をなしています。
堅牢な石の壁に囲まれたこの複合施設は、時の流れを物語っています。スーフィー教育の場や学生宿舎など、一部は老朽化してしまいましたが、複合施設内のモスクとマドラサは今もなお、訪れる人々や歴史愛好家を迎え入れています。
1422年から1438年まで統治したスルタン・バルスベイは、統治者であると同時に建築の庇護者でもありました。彼はこの複合施設だけでなく、シャリーア・アル・ムイッズに隣接するシャリーア・アル・ムスキ沿いにも別のモスクを建設しました。しかし、彼自身が最期の眠りにつく場所として選んだのは、この複合施設内の霊廟でした。彼の墓は、星形模様が美しく施されたドームに覆われた傑作であり、古代のシェブロン模様を想起させるデザインとカイトベイのドームの優美さが重なり合っています。
複合施設の内部もまた魅力的で、床は精緻な大理石で覆われています。また、象牙を用いた祭壇がこの場所の神聖さをさらに高めています。象牙という稀少で贅沢な素材が、この複合施設の歴史的意義を示しています。
スルタン・アシュラフ・バルスベイ複合施設を訪れることで、カイロの歴史を垣間見るだけでなく、マムルーク朝の芸術と文化の頂点へと足を踏み入れることができます。その一つ一つの石と彫刻が、都市の栄光に満ちた過去を語り継いでいます。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
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