「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
ベン・エズラ・シナゴーグ
ベン・エズラ・シナゴーグ:時を超えた信仰のタペストリー
カイロの中心に、歴史が街の織物のように複雑に織り込まれた中、ベン・エズラ・シナゴーグは信仰の永続的な精神と文化の驚くべき融合を象徴しています。聖バルバラ教会の壁を越えた場所に位置するこの9世紀のシナゴーグは、その神聖な壁の内に、何世紀にもわたる豊かな物語のタペストリーを秘めています。
ベン・エズラ・シナゴーグをさらに特別なものとしているのは、その独自の立地です。このシナゴーグは、4世紀のキリスト教会の遺構の上に建てられています。その修復は、12世紀のエルサレムの著名なラビ、アブラハム・ベン・エズラによるものとされています。ここは、信仰が共存し、歴史の層がシームレスに融合する場所です。
古い伝承によれば、この神聖な地は6世紀に預言者エレミヤの命によってユダヤ人の会衆が集まった場所とされています。彼らの集いは、ネブカドネザルによるエルサレム神殿の破壊という悲劇の後に行われました。この神聖な土の上で、彼らの信仰の響きは時を超えて受け継がれてきました。
シナゴーグに隣接して、泉が湧き出ています。この泉は、時と信仰の永遠の流れを象徴するものとされています。伝承によれば、マリアがこの泉の水を汲み、幼子イエスを洗ったと言われています。そして、この祝福された場所のすぐ近くには、ファラオの娘が葦の中にいる幼子モーセを発見した場所が存在します。ここでは聖書の歴史の糸が一つに織り込まれ、信仰の豊かで複雑なタペストリーが生み出されています。
1980年、このベン・エズラ・シナゴーグの神聖な空間の中で、非常に重要な歴史的発見が行われました。ゲニザ文書、約35万点の書類の宝庫が発掘されました。これらの驚くべき文書は、11世紀から13世紀の北アフリカのユダヤ人コミュニティの生活や風習を知るための窓を提供しています。研究者たちがこの歴史のモザイクを丹念に組み立てる中、活気に満ちた、そしてたくましいコミュニティの物語、伝統、日常生活が明らかになっていきました。
ベン・エズラ・シナゴーグの聖域に立つとき、空間の旅人であるだけでなく、歴史、信仰、そして人間のたくましさの記録をたどる時間旅行者でもあるのです。ここでは、祈りの響きと古の物語のささやきが今も響いており、この神聖な場所をエジプトの不屈の精神を象徴する生ける証としています。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
カイロ旅行ガイド

