「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
円盤の礼拝堂
暁の礼拝堂:女神と太陽が出会う場所
エジプトの古代神殿複合体の南西部に隠された宝物があります。それが、時代を超えた神秘に包まれた「円盤の礼拝堂」です。ここには、愛と喜びの女神ハトホルの穏やかな表情をたたえた十二本の壮麗な柱が立ち並び、何世紀もの風がささやく中、エジプトの永続する精神的遺産を象徴しています。
新年の夜明け、神秘的な光景がこの神聖な礼拝堂を包みます。地平線から最初の太陽光線が差し込むとともに、ハトホルの像がその聖なる住処から慎重に運び出されます。母性と天空の女神であるハトホルは、初日の光に包まれ、太陽円盤との神聖な結合が始まります。この輝かしい瞬間は、生命の再生と永遠の創造サイクルを象徴する、宇宙的な意義に満ちています。
この天体的な再会に伴う行列を想像してください。信者たちは、寺院の屋根から地上へと続く東側の階段を一歩一歩、崇拝の心を込めて降りていきます。祭服がそよ風に揺れる中、司祭たちは厳粛な面持ちで一列となり、絶え間ない鎖のように進んでいきます。この神聖な降下は、目的と敬意をもって実行され、何千年にもわたって続いてきた古代の伝統を今に伝えています。
エジプトのこの聖域の中心にある「円盤の礼拝堂」は、地上界と天上界を結ぶ深い絆の生きた象徴です。単なる建築物を超えた存在であり、神聖なポータルとして機能し、女神と太陽が交わることで生命の永遠の再生を祝福する場となっています。
この永遠の聖域では、新年の夜明けは単なる暦上の出来事ではなく、天体の抱擁ともいえるものです。それは、目撃するすべての人に祝福をもたらす神聖な舞踏であり、時を超越したつながりの力を体感させてくれる場所です。「円盤の礼拝堂」は、旅人や探求者を引き寄せ、時間の彼方にある神秘と精神的な交感の力を体験するよう誘います。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月23日