「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
ハンギング・チャーチ
ハンギング・チャーチ:時の中に浮かぶ驚異
カイロの中心に、何世紀も超えて人々を魅了する驚異の宝石、「ハンギング・チャーチ」が佇んでいます。その名が示すとおり、この教会はローマ時代のバビロンの古い水門の上にそびえ立つ、他に類を見ない場所にあります。旧カイロの迷宮のような街路を抜けてこの神聖な聖域に到達するには、エレガントなコプト語やアラビア語の碑文で飾られた特徴的な石造りのファサードを頼りに進んでください。
この由緒ある教会は、敬虔な信者や好奇心旺盛な旅人を惹きつける磁力を持っています。祈りの場として、また聖人たちの遺物、特に聖母マリアの象徴的なアイコンを讃える場所として、多くの人々の精神的な憩いの場となっています。しかし、ここは単なる礼拝の場ではなく、歴史と文化の宝庫として、訪れるすべての人々を温かく迎え入れます。
急な階段を登ると、19世紀に建てられたファサードが姿を現します。2つの鐘楼が天に向かってそびえ、内側には小さな中庭が広がっています。この中庭で、録音された典礼やシェヌーダ3世教皇の映像を手に入れることができ、霊的な伝統との生きたつながりを感じることができます。
教会内に足を踏み入れると、ひっくり返した方舟のような形状の堂内に迎えられます。この構造は、木造の屋根に三つの樽型のヴォールトが組み合わさり、静寂と敬虔さを醸し出しています。祭壇を守る象牙象嵌のスクリーンは職人たちの技術の粋を示しており、複雑な幾何学模様の中にさりげなく配置された小さな十字架が、キリスト教とイスラム教芸術の調和を表現しています。
教会内のベンチの間には、壮麗な説教壇があります。これは、特に聖枝祭の礼拝のために使用されるもので、13本の精巧に彫られた柱の上に立っています。この柱はそれぞれ、キリストと彼の使徒たちを象徴しており、そのうち1本だけが暗い色で区別されて、ユダを表しています。
教会の隅にある洗礼室は、床にパネルがあり、そこを通じて水門の一部を垣間見ることができます。この視覚的なつながりが、この聖なる場所の歴史的な背景を強調しています。「ハンギング・チャーチ」は、地上と神聖の間にたたずむその姿で、訪れる人々に畏敬と感動を与え続け、その永遠の物語を語りかけています。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
カイロ旅行ガイド

