「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
アブ・ヌハスの沈船スポット
アブ・ヌハス沈船遺跡
シャドワン島のすぐ北に位置するアブ・ヌハスのダイビングエリアは、わずかに三角形を描く水中の驚異です。このスポットには5つの魅惑的な沈船が眠る、ダイバーにとっての宝庫です。最大の見どころは、1869年に沈んだ英国の貨物船カーナティック。その骨格は長い年月を経ても驚くほど良好な状態を保ち、今では色鮮やかなサンゴや豊かな海洋生物の生息地となっています。
さらに、ギリシャ船クリソウラK(1981年沈没)とドイツ船キモンM(1978年沈没)という2つの著名な沈船もこの海域を彩ります。ライオンフィッシュ、トリガーフィッシュ、パイプフィッシュといった多様な海洋生物が生息するこれらの沈船は、水中探索のホットスポットとして多くのダイバーを引きつけています。
名前と状態
アブ・ヌハス(Abu Nuhas)は、アラビア語で「父の真鍮」を意味します。「アブ(Abu)」は父、「ヌハース(Nuhâs)」は真鍮を指します。海底では未だ真鍮が発見されていませんが、この地が「船の墓場」とも呼ばれることは、その神秘的な魅力をよく表しています。
アブ・ヌハスは、グバル海峡の端に位置し、その北側は厳しい条件で知られています。強い波が停泊を難しくする一方、北東の角は特に流れが速く、北と東の潮流が合流することで、リーフウォールを調査するダイバーたちにとって試練の場となっています。
ダイビング体験
アブ・ヌハスは、沈船ダイビング愛好家にとって夢のような目的地です。30メートル以内という快適な潜水深度内に4つのユニークな沈船が集中しており、リーフの北側に位置するこのエリアでは、穏やかな水面条件が安全な停泊には不可欠です。
1990年代初頭、フルガダからの日帰りボートは厳しい停泊条件に直面することもありましたが、現代のダイブボートはRIBやテンダーボートを装備しており、より安全にアクセスできるようになりました。ダイバーは通常、リーフの裏側やウッドバレーリーフ付近に停泊したメインボートから、小型ボートで沈船まで運ばれます。このチャネルを経て、沈船スポットへのアクセスが可能となります。
代替ダイビングスポット
天候が理由で沈船でのダイビングが難しい場合、ウッドバレーリーフが素晴らしい代替スポットとなります。この小さなリーフは、近くのジアニスD沈船から流れ着いたと思われる木材が散らばり、メインリーフの西端に位置しています。もう一つの選択肢として、アブ・ヌハスの南側にあるイエローフィッシュリーフも挙げられます。ここは夜間ダイビングに最適なスポットとして知られています。
位置
アブ・ヌハスは、フルガダの南東65キロの位置にあり、冒険と水中の驚異を発見する旅が待っています。
このダイビングの楽園は、紅海の美しさと神秘を物語る場所であり、エジプトの海中世界を探索したい人々にとって、他に類を見ない体験を提供します。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月23日