「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
ウォーターフロント・クォーター
ポートサイドのウォーターフロント・クォーターを探訪:時を巡る旅
ポートサイドのウォーターフロント・クォーター:時を巡る旅
運河沿いに位置するポートサイドのウォーターフロント・クォーターは、過ぎ去りし時代の本質が漂う魅惑的なエリアです。その雰囲気は懐かしさに満ち、石畳の街並みを歩く人々に郷愁の魔法をかけます。19世紀後半から20世紀初頭のエレガンスを映し出す建築は、風化した木製のバルコニー、ルーバー付きのドア、高いベランダを備え、シャリア・パレスチナ通りをたどる高架の遊歩道からは、象徴的な運河の広がりを一望できます。
旅の始まりは、魅力的なシャリア・メンフィス通りから。歴史の静かな証人であるかつてのウールワースの建物が迎えてくれます。さらに、シャリア・アル・ゴムフリーヤ通りを進み、商業港北側の小道に足を運ぶと、風変わりなコロニアル様式の名残が待っています。古い運河の海運代理店の建物は、ポートサイドの海事遺産を今に伝える遺構。近くにはかつて有名だったシモン・アルツ百貨店が立ち、華やかな過去の囁きを感じさせます。アーチ状の入口を抜けると、バイブル・ソサイエティ・ビルディングがその存在を誇り高く示しています。
北東に進むと、1930年代に建てられた堂々たるイタリア領事館がシャリア・23rd of July通りにそびえ立っています。その外壁には、ファシスト独裁者ベニート・ムッソリーニによる宣伝文句が刻まれ、「ローマ – 再び帝国の中心に」というメッセージが掲げられています。
数ブロック内陸に入ると、シャリア・サラー・サレム周辺で教会群が探索を待っています。その中でも、コプト正教会の聖ビショイと聖母教会、フランシスコ会の施設がそれぞれの独特な物語を伝える精神的な聖域となっています。
シャリア・パレスチナ通りの北端には、大きな石柱が歴史の番人として立っています。かつてここには、スエズ運河とこの街のつながりを象徴するフェルディナン・ド・レセップス像がありました。しかし、1956年の運河国有化の際、この象徴的な像は撤去され、ポートサイドの歴史の哀愁を刻む瞬間となりました。
結論として、ポートサイドのウォーターフロント・クォーターは、長い時の流れを物語る生きた証人であり、歴史と建築が交差する魅力的な過去の織物です。その通りを探索することは、エジプトの歴史の年代記を旅することであり、街の豊かな遺産の一部を明らかにする旅となるでしょう。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月23日