バルダウィル湖の東端に位置するザラニク保護区は、自然の壮観が融合する特別な場所です。この地域、特にザラニク・ラグーンは、浅瀬や島々が点在し、それぞれが塩生植物の豊かな植生に覆われた生態学的多様性のモザイクをなしています。
ザラニクの景観は、ラグーンを縁取る広大な干潟や塩生湿地から内陸のサブカ(塩分を含んだ土地)や砂丘へとスムーズに移行する複雑な構成を持っています。また、人間の手が加わった痕跡として、1980年代に設立された製塩施設があります。ここにはポンプ場、蒸発池、塩田などのネットワークが含まれ、1997年から稼働していました。これは、地域が保護区に指定される以前のことです。
ザラニクは、アフリカ、アジア、ヨーロッパを結ぶ世界的な鳥類の渡りネットワークにおける重要な結節点として機能しています。この自然の回廊では、特に秋と春の移行期に、さまざまな鳥種が一堂に会します。そのため、バードウォッチングにおいて他に類を見ないスポットとされています。
鳥たちは、東ヨーロッパ、北西アジア、ロシア、トルコといった遠く離れた地域から旅をし、中東や東南アフリカの暖かい気候を求めてザラニクに集います。これらの渡り鳥にとって、バルダウィル湖やスエズ湾東岸の他の湖は貴重な生息地となっています。
ザラニクには、244種もの鳥類が記録されており、その豊かな鳥類相には白鳥、カモ、サギ、アマサギ、コウノトリ、ハヤブサ、ウズラ、ノスリ、シギ、さらにはカモメ、アジサシ、カラス、ヤツガシラなどが含まれます。それぞれの種が、この地域の活気ある生態学的キャンバスに独特の彩りを添えています。
地質的にもザラニクは特筆すべき存在で、地中海の湿地盆地に属しています。この保護区には、ザラニク湖、砂漠の島々、そしてそれを地中海から分ける砂のバリアなど、多様な生態系が含まれています。
毎年約270種の鳥が訪れるザラニクは、単なる鳥類の楽園にとどまらず、狩猟や迫害に対する強固な防衛拠点でもあります。ここでは、サギや湿地の鳥、カモメ、ウズラ、そして多くのスズメ目の鳥たちが、バードウォッチングや自然愛好家にとって比類のない光景を提供しています。
つまり、ザラニク保護区は地図上の単なる地点ではなく、自然の驚異の交響曲が奏でられる場所です。空が鳥の舞踏で生き生きとし、多様な色彩と旋律で空気を彩るところ。それは、羽ばたきのリズムやアシの囁きが、時代を超えた移動と生存の物語を語る場所なのです。