「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
アブ・シンベルの小神殿
ハトホル神殿:ネフェルタリ王妃とハトホルへの賛歌
アブ・シンベルのラムセス2世大神殿の影に控えつつも同じく魅力的な「アブ・シンベル小神殿(ハトホル神殿)」は、女神ハトホルとネフェルタリ王妃に捧げられています。

神殿の特徴的な入口
像の配置:
入口にはラムセス2世と、特にネフェルタリ王妃の像が飾られています。ファラオ時代の神殿で、王と同じ大きさの王妃の像が並ぶのは珍しく、ラムセス2世がネフェルタリに深い愛情を注いでいたことを物語っています。
王族の描写:
これらの像の両脇には、王子や王女の小像が配置されており、この神聖な空間の家族的な要素を強調しています。
内部デザインと象徴性
簡素だが意義深い装飾:
大神殿ほど豪華ではないものの、ハトホル神殿の内壁には、ハトホルとムトを讃える宗教的儀式に参加するネフェルタリとラムセス2世の姿が描かれています。
ネフェルタリの神格化:
大神殿でラムセス2世が天上の存在として描かれているように、ネフェルタリもまた神聖な光の中に表現されており、彼女の高い地位を強調しています。
戦士としてのイメージ:
壁にはラムセス2世が戦士として描かれており、その武勇と勝利が刻まれています。
柱のデザイン:
大神殿とは異なり、この神殿の広間には3列×2本の柱が並び、それぞれがハトホルの頭部で飾られており、神殿独特の美的感覚を加えています。

アブ・シンベル小神殿の内陣と周辺の特徴
ハトホルの表現:
西方の山から現れる聖なる牛の女神として描かれたハトホルの際立つ彫刻があり、それは再生と養育を象徴しています。
前室の描写:
前室の周囲には、聖なる船に乗ったハトホルの鮮やかな姿が描かれています。また、岩から直接彫り込まれた側室は洞窟を思わせる構造となっています。
周辺の追加モニュメント
歴史的な碑文:
神殿の崖下には、ヌビアの官吏たちの名前が刻まれた石があり、当時の行政側面を垣間見ることができます。
太陽の庭の遺跡:
大神殿の北端付近には、太陽の庭の名残が見られます。
結婚石碑:
この重要な石碑には、ラムセス2世とヒッタイト王女との結婚契約が記録されており、ラムセスの治世における外交的・個人的な重要な出来事を示しています。
アブ・シンベルのハトホル神殿は、隣接する大神殿よりも規模は小さいものの、ネフェルタリに捧げられた神聖な崇敬と、古代エジプトの神々の豊かな宗教的象徴を示す、ユニークで深い遺産として佇んでいます。
ラムセスが大神殿内で天上の王として描かれているように、ハトホル神殿内ではネフェルタリも神格化された女王として描かれています。
2020年3月18日に作成
2025年3月6日に更新
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