「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
アスラム・アル・シラフダル・モスク
アスラム・アッ・スィラフダール・モスク:カイロが誇る芸術美の極み
カイロのアル・アズハル公園近くの賑やかな街並みに佇むアスラム・アッスィラフダール・モスクは、歴史と建築の輝きを放つ象徴的存在です。14世紀に建立されたこのモスクは、イスラーム芸術の伝統を体現する建造物であり、特に精緻なタイル装飾が施された見事なドームと、繊細な漆喰のメダリオンで彩られた壁面が訪れる人々を魅了します。その一つひとつの意匠には、イスラーム建築の真髄である緻密な職人技が凝縮されています。
このモスクは、礼拝の場としての役割を超え、カイロの都市景観における重要な存在でもあります。アル・アズハル公園のバーブ・アル=マフルーク門の近くという立地もあり、地元の人々や観光客から広く愛されています。歴史的な重みと芸術的な美しさが共存するこのモスクは、地域を象徴する名所のひとつです。
この建築の傍らには、カイロの職人文化の豊かさを伝えるギャラリースペースが設けられています。ここでは、地元職人による手作りの工芸品が展示・販売されており、それぞれの作品が単なる装飾品ではなく、世代を超えて受け継がれてきた技と伝統の物語を語りかけてきます。
アスラム・アッ・スィラフダール・モスクは、祈りの場であると同時に、カイロの深く根付いた文化的遺産を讃える空間でもあります。ここでは、都市の芸術的伝統が今も息づいており、訪れる人々にカイロの誇る美と技を体感させてくれます。
幾重にも重なる歴史と文化が交差するこの都市の中心で、アスラム・アッ・スィラフダール・モスクは、カイロという街の精神を映し出す永遠のシンボルです。芸術、歴史、そして信仰がひとつに溶け合うこの場所は、世界でも屈指の歴史都市カイロの魂を垣間見ることのできる、特別な窓なのです。
作成日:2020年5月4日
更新日:2025年3月21日
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