メンカウラー王のピラミッド

メンカウラーのピラミッド: 古代の壮麗さの証

ギザ高原の伝説に満ちた砂地の南西の隅に、メンカウラーのピラミッドはその威容を誇っています。伝説のファラオカフラーの息子であるメンカウラー王は、自身の治世を不滅のものとするべく、「メンカウラー神聖なり」と名付けられた壮大なピラミッドを築きました。ギザの中でも最小規模のこのピラミッドは、しかしその王の遺産を示す重要な証拠です。

メンカウラー王の突然の崩御により、ピラミッドは未完に終わることとなりました。しかしその後、息子のシェプセスカフが建設を引き継ぎ、最終段階を泥レンガで仕上げることでこの偉大な建造物を完成させました。その後も、第4王朝から第5王朝に至るまでの間、葬祭用の礼拝堂が追加され、繁栄を続けた葬祭儀礼の証として今日に至っています。

約18年間の治世を持つメンカウラー王の記録は、ピラミッドの入り口に刻まれており、ラメセス2世の息子である王子カエムワセトに帰する碑文として現在も残っています。ピラミッドの強固な石灰岩の壁には、メンカウラー王の遺産が刻まれ、永遠に残る場所として存在し続けています。

ピラミッドの上部には白い石灰岩の化粧石が施され、その下には耐久性に富んだピンク色の花崗岩が使用されていました。興味深いことに、この建築技法は「上から下へ」と進められた可能性を示唆しており、砂地から完全に浮き上がることがなかったことを暗示しています。現代の入り口でも、花崗岩の化粧石がしっかりと確認できます。

時を遡ると、ピラミッドはマムルーク時代の12世紀に北側に大きな裂け目を生じました。しかし1837年、バイスとペリングが内部に足を踏み入れると、ピラミッドはその秘密を明かし始めます。その内部には玄武岩で作られた石棺が発見され、その表面には「メンカウラー」の名が刻まれていました。この貴重な遺物はイギリスへと運ばれる予定でしたが、運命の船ベアトリス号が地中海の荒波に呑まれたため、海の底に沈んでしまいました。

高原の高さから約4メートルの北側の入り口をくぐると、内部には水平に伸びる通路があり、そこから石板で覆われた複雑な構造が現れます。その中には用途が謎に包まれた細かい彫刻が施された石板の内壁が見られます。また前室は設計が変遷しており、その目的についても議論が続いています。

バイスの探査では、木製の人型棺が発見され、その上には「メンカウラー」の名が刻まれていましたが、内部から見つかった骨格は後世のものであり、ピラミッドに関する新たな謎を生むこととなりました。

さらに奥へ進むと、王の埋葬室に通じる通路があります。この部屋には6つの窪みがあり、王のカノプス壺や神聖な葬祭用の遺物が安置されていたと考えられています。埋葬室そのものはピンク色の花崗岩で覆われ、メンカウラー王のために用意されたシンプルで崇高な空間を見せています。ここでバイスの探査は頂点を迎え、壮大な玄武岩の石棺がファラオの遺体を守っていました。

メンカウラー王の王妃たちも、彼のピラミッドの近くに永遠の安息を得ました。南側に位置する3つの小ピラミッドはあまり注目されませんが、彼の王妃たちを記念する重要な証となっています。そのうちの1つにはT字型の地下構造があり、当初は礼拝目的で設計されたものが、王妃たちの最終的な安息の場となりました。これらの衛星ピラミッドには泥レンガの礼拝堂が設けられ、来世への準備が見て取れます。

ピラミッドの東側にはメンカウラー王の葬祭神殿の遺構が残り、急遽建設されたものの当時の革新的な方法を示しています。その壁には王の像の断片が見られ、エジプト芸術の永続的な魅力を感じさせます。

ピラミッドを囲む構造物を越えると、メンカウラー王の参道や谷神殿が時の痕跡を物語ります。参道の最終段階では石灰岩の代わりに泥レンガが使用されましたが、谷神殿はその壮大さを保ち、父を敬うシェプセスカフの思いを今に伝えています。

1988年以来、ギザ高原の大スフィンクスから約300メートル南で発掘が進められた工事員墓地では、「カラスの壁」やピラミッド建設時のスロープの痕跡、王の葬祭船の存在が模索されています。中には、ラメセス2世の二重像のような特異な遺物も発見されており、単一の石塊から彫り上げられたこの像は歴史の謎を新たに呼び起こしています。

時の砂がさらなる秘密を明かす中で、メンカウラー王のピラミッドはエジプトの永遠の威光を象徴する存在としてそびえ続けています。それはファラオたちへの記念碑であり、ギザ高原の永遠の魅力を証する遺構でもあります。

2020年4月7日作成

2025年3月23日更新

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