メンフィス {ミトラヒナ博物館}

エジプトの中心に位置するミト・ラヒナ博物館は、人類史における最古で最も重要な章のひとつを物語る証です。この地、かつてメンフィスと呼ばれた場所は、紀元前3100年ごろにメネス王の統治下で統一されたエジプトの初代首都として栄え、文明の揺籃の地として知られています。この歴史的快挙はエジプト史の新たな幕開けを告げるものであると同時に、メンフィスを2000年以上にわたり権力、文化、そして革新の中心地として確立させました。

当時のメンフィスは、職人や建築家の神プタハに捧げられた壮大な神殿や、豪華な王宮をはじめ、数々の壮大な建造物で飾られていました。現在、このかつての栄光の名残はプタハ大神殿の遺跡に残され、その往時の壮麗さを垣間見ることができます。

ミト・ラヒナ博物館は、ラムセス2世の大規模な建造プロジェクトに焦点を当てた、新王国時代の精髄を収めた野外展示の形をとっています。この博物館の主な宝物には、世界最大級の像であるラムセス2世の巨像や、アルバスター製のスフィンクスが含まれています。また、ラムセス2世の多数の彫像、美と愛を象徴する女神ハトホルの像、そしてメンフィスの豊かな歴史を語るその他の興味深い遺物も展示されています。

この博物館は、単なる古代遺物のコレクションではなく、過去への入り口であり、古代エジプト初の首都の壮大さについての洞察を提供します。その展示を通じて、ミト・ラヒナ博物館は訪れる人々に、人類史の流れを形作った文明の建築的・文化的業績を探る機会を与えてくれます。