マルサ・アラムの町

エドフから紅海沿岸へと続く古代の道の要所に位置するマルサ・アラム。この町は、歴史が息づく特別な場所です。プトレマイオス2世の時代、ギリシャ期に建設されたこのルートは、東部砂漠を横断し、古代エジプト人が金を採掘した場所を通り抜けます。また、この地域は先王朝時代にまで遡る興味深い岩面刻文でも有名です。これらの古代の落書きには、ダチョウ狩りやキリン、ウシといった動物が描かれており、エジプトの遥かなる過去を垣間見る貴重な手掛かりとなっています。

静かな村から賑やかなリゾートへ

かつて穏やかな漁村だったマルサ・アラムは、驚くべき変貌を遂げました。マルサ・アラム国際空港の開設が観光ブームを引き起こし、この静かな町はエジプトで最も成長著しい観光地の一つとして脚光を浴びることとなりました。シャルム・エル・シェイクやフルガダといった有名リゾートに匹敵する人気を誇るマルサ・アラム。その魅力の多くは、南部紅海の息を呑むようなダイビングスポットへの玄関口という地位にあります。これにより、世界中のダイビング愛好者やシュノーケリング愛好者を惹きつける一大拠点となっています。

マルサ・アラムの秘められた魅力

マルサ・アラムは、その人気が高まりつつある一方で、今もなお地域で最も過小評価されている目的地の一つです。この町は、エジプト各地から集まったホテルスタッフ、地元のベドウィン族、近隣の金鉱で働く鉱夫、そして必要なサービスを提供する商人たちが共存する文化の交差点です。

地域の多くのホテルに近接する便利なロケーションに位置するマルサ・アラムの町は、日用品からお土産までを取り扱うさまざまなショップ、手頃な価格の市場、そして質素ながら清潔なレストランやカフェが揃っています。訪れる人々に対する地元の人々の温かさと真心のこもった親しみやすさが、この町の魅力を一層引き立てています。

活気あふれる夜の顔を持つ現代的な町

マルサ・アラムには古代エジプトの町のような歴史的建築美はないものの、現代的で実用的な美しさが備わっています。真昼の暑さの中では、町全体がまるでゴーストタウンのような静けさをまといますが、夕方になると状況は一変します。気温が下がるにつれ、仕事を終えた人々が次々と戻り、街路が活気に満ちた賑やかな空間へと変わります。このように、昼間の静寂とは対照的な、躍動感あふれる雰囲気を体感することができます。

作成日：2020年3月18日
更新日：2025年3月23日